皆さん、こんにちは。面接を受ける際に、「なんでそんなこと聞かれるの?」と思ったことはないでしょうか。「いきなりの無茶ぶり質問でびっくりした」という話もよく聞きます。なかには「圧迫面接だった!」なんて声も。今回は面接における、ちょっと変わった質問の意図を考えてみたいと思います。
面接では、たまに「無茶ぶり質問」がふられます。とくに新卒採用ではよく出てきます。私も模擬面接などで質問したことがあります。たとえばこんな質問です。
1.「卵かけご飯の消費量を国内で5年以内に2倍にする戦略を考えてください」
2.「このビルの近くにある、吉野家の1日の売上はいくらでしょうか?」
3.「10円玉を100円にするための方法を教えてください」
4.「マンションとアパートの違いを具体的に説明してください」
5.「マッチ売りの少女が爆発的にマッチを売る方法を考えてください」
6.「空手と柔道はどちらが強いですか?」
7.「もう一度、自己紹介してください」
8.「今、教えていただいた成功体験をもう一度やり直すとしたら、どんなひと工夫をしますか?」
9.「みんなを笑わせてみてください」
10.「面接会場に来るまでの感動体験を教えてください」 皆さんならどう考えます? いくつかの質問について、実際に就活生が出した回答をご紹介しましょう。
Q1.「卵かけご飯の消費量を国内で5年以内に2倍にする戦略を考えてください」
A1.「芸能人を使って、宣伝に力を入れます!」
Q2.「10円玉を100円にするための方法を教えてください」
A2「.路上に立って、みんなに100円に交換してくれるようにお願いします!」
Q3. 「今、教えていただいた成功体験をもう一度やり直すとしたら、どんなひと工夫をしますか?」
A3.「……」
うーん、もともと質問の難易度も高いのですけど、これでは納得する答えになりませんねぇ。
Q1に関しては、就活生が陥る、よくあるパターンです。いきなり宣伝と言われても……。2倍にするための現状の課題は何なのかを特定し、それぞれ解決しなくては意味がありません。また、仮に「認知度を上げるために芸能人を使う」のだとしても、どのターゲットへの認知を考えて、誰が出演するどんなCMをという部分まで考えたいところです。
Q2については、この回答A2は「騙し」「気合いと根性」ですね……。10円玉を100円に変えるには、その価値を10倍にしなければならないわけです。私はよくこの質問をするのですが、これまでに答えた学生で面白いな、なるほどと思った答えは「10円で植物の種を売ってもらい、花にして100円で売る」というものでした。他にも「途上国の通貨に両替し、価値が上がるまで待つ」という答えもありました。どちらもいつ100円になるかは約束できませんが、一応、ルールの範囲内の答えであり、有効だとはいえます
なぜ、「あんたは答えられるのか?」的無茶ぶり質問をするのか?「こんなことを聞いてどうするの?」と思う人がいるかもしれません。しかし、一応、意味はあります。
1. 論理的思考ができるかどうかを判断するため たとえば、Q1の「卵かけご飯の消費量を国内で5年以内に2倍にする戦略を考えてください」などはまさにこれです。単にアイデアレベルで考えるのではなく、課題を整理し、そのための打ち手を考える能力が問われます。
2. 発想が柔軟かどうかを判断するため Q5の「マッチ売りの少女が爆発的にマッチを売る方法を教えてください」などはQ1同様、論理的思考も求められますし、それだけでなくユニークな発想も期待されます。困難な環境の中でも柔軟に考えて、新しい価値を生み出せるかどうかが問われます。
3. 思考のストレス耐性をみるため 前述のような質問の中には、考え抜かなくては答えられないものも多数あります。困難な環境下で考え抜く力が期待されます。
4. 臨機応変に対応できるかどうかを確認するため 仕事はいつも、ハプニングが連発します。そうした状況でも、冷静に、臨機応変に対応できるかどうかを確認します。そもそも、面接の前には新卒でも中途でも、どんなことを言おうか準備をしてくるものです。そして、面接は相手のベールを剥がしていく行為でもあります。素の価値観、行動特性、思考回路を確認するためにも、これらの無茶ぶり質問は利用されるのです。
◆「無茶ぶり質問」は圧迫面接ではない そのココロは?さて、よく、「これらの質問は圧迫面接ではないか!」と言われますが、難易度が高く無茶ぶりではあるものの、厳密には違います。圧迫面接は相手を緊張感、ストレスのある状態におきます。相手をとにかく否定します。相手の意見を否定します。眼を合わせない、頷かないなど、精神的なプレッシャーをかけたりもします。何を話してもスルーされる、問い詰められる、そんな状況の面接です。
他にも、成功体験に対する事実などを根掘り葉掘り聞く面接手法もありますが、これも別に圧迫面接ではなく、その人の価値観や行動特性、思考回路などを確認するための面接です。
では、文字通りの圧迫面接には意味があるのでしょうか? ここは議論が分かれるところです。圧迫面接は、精神的なタフさを確かめるためのものだと思われているようですが、実際は要領のよい人ならひょいひょいと受け流してしまうので、意味がないという考え方もあります。企業に対する印象も悪くなります。悪い噂の発生源にもなりますね。
新卒と中途で大きく違うのが、これまでの職務経験や、これから期待する仕事に対する適応度に関する問いです。
年収、仕事の忙しさへの適応度、転勤や異動への考え方、実際に担当してもらう業務の経験(ない場合は、対応できそうかどうか)、求められるスキルや企業風土などへの適応度です。特にピンポイントの募集の場合は、ここを厳しく突っ込まれるものだと思ってください。
一方、このコラムでも何度も書いていることですが、面接は互いに「やっていけそうか」確かめ合う場でもあります。裁判ではありません。難しい質問をされたり、無理難題を言われたりしても、自然体で答えたいところです。間違っていてもいいので、真剣に答えましょう。答える姿勢も問われています。そして、合うか合わないか、あなたも判断する場だと思ってください。
◆条件が合致するか? 中途の面接はここがポイント 最後に、面接に関してオススメの本を3冊ご紹介します。
まず1冊目は、『採用側の本音を知れば転職面接は9割成功する』(小島美津子 中経出版)、です。中途面接での質問とその意図がわかりやすくまとまっています
2冊目は『就活の王道』(株式会社ライブレボリューション&金子真歩 総合法令)です。著者は、新卒採用活動において学生から圧倒的な注目を集めるライブレボリューションです。やや新卒寄りの内容ではありますが、かなり科学的に面接を捉えています。
3冊目は、『インタビューの教科書』(原正紀 同友舘)。就転職に関わる本ではないのですが、本音を聞き出すにはどうすればいいかについて、ノウハウがまとまっています。面接官の意図がわかります。普段の仕事や、恋愛(?)にも役立つ本です。よろしければチェックを。